EXHIBITIONS

谷穹・堀尾貞治・越野潤「守破離」

写真左は谷穹、右は越野潤の作品

写真左は谷穹、右は越野潤の作品

 日本古来より、様々な道で大切にされてきた「守破離(しゅはり)」をキーワードに、谷穹(たに・きゅう)、堀尾貞治、越野潤の3人による展覧会が開催される。

 「守破離」とは、「守って型に着き、破って型へ出て、離れて型を生む」という武道や芸術における理想的な修行の段階を示すもの。弟子は師匠に学び、やがて自らの表現を追求し、それが後世に継承されていく。

 本展では、知性や想像力に訴える主張をしたマルセル・デュシャン没後50年の節目に、「守破離」の精神にならって、現代作家3人が手がけた想像力を刺激する作品を展示する。

 越野はデュシャンの言葉で構成された2冊の本『デュシャンは語る』(ちくま学芸文庫)『マルセル・デュシャン全著作』(未知谷)と同サイズの白の矩形の作品で展示空間を構成。谷は、対峙させることで男性的な面と女性的な面が現れる2つの壷を、そして堀尾は、1919年にデュシャンが制作した修正レディ・メイド作品《L.H.O.O.Q》を参照し、石を使って既成の水墨画を上書きした《コロンコロン》を発表する。