Dear Ms.Crook 〜パメーラ・ジューン・クルック展〜

　カンヴァスの額縁にまで画面を拡張させ、独創的な手法で絵画を制作するイギリスのアーティスト、パメーラ・ジューン・クルックの展覧会が開催される。

　クルックは1945年生まれ。グロースターシャーカレッジで織物と染色を学び、卒業後はロンドンでテキスタイル・デザイナーとして活動。27歳のとき、子育て中の余暇に絵を描き始めたことがきっかけで絵画制作に目覚め、以来、絵画を中心に精力的に発表を行う。作品はプログレッシヴ・ロックバンド「キング・クリムゾン」のCDジャケットに数多く採用されている。

　諸橋近代美術館の創設者でありコレクターの諸橋廷蔵は、95年にパリのギャラリーで催されたクルックの個展に偶然立ち寄り、その場ですべての作品を購入。これらのクルックの作品は、同館の創設時にサルバドール・ダリをはじめとした優れた近代絵画とともに寄贈された。

　本展は、2016年の企画展「ハロー、クルック～共感する記憶～」を契機に新たな作品8点が加わり、ダリに次ぐ美術館のメインコレクションの一層の充実が図られたことを記念し、クルック作品全31点を一堂に展示する。