EXHIBITIONS

菅 木志雄 ー 写真と映像

アクティヴェイション「周囲構築─910」 コンセプトスペースR2, 群馬 1990 © Kishio Suga Photo by Tsuyoshi Satoh

アクティヴェイション「周囲構築─910」 コンセプトスペースR2, 群馬 1990  © Kishio Suga Photo by Tsuyoshi Satoh

 通底する見るもののあり方とは異なる方法で、「もの」と「もの」、「もの」と「場」、「もの」と「人」をつなぎ、囲い、また相互依存させ、まるで「もの」が新たなかたちや状況をつくり出すかのように作品を制作する菅木志雄。「見えないもの」を表すべく立体、平面、写真、映像、映画、小説といった様々な手法を用いて、根源的な世界のあり方を抽出しようと試みている。

 菅は1944年岩手県出身。68年多摩美術大学絵画科在学中の67年に第11回シェル美術賞を受賞。1968年の初個展から現在に至る50年以上のキャリアの中で数々の展覧会に出展している。

 2017年第57回ヴェネチアビエンナーレ国際展「VIVA ARTE VIVA」では水上でのインスタレーションとして代表作《状況律》を再制作して大きな注目を浴んだほか、国内では14〜15年にヴァンジ彫刻庭園美術館で「菅木志雄展」、15年には東京都現代美術館にて「菅木志雄 置かれた潜在性」と、2つの個展が同時期に開催され話題となった。

 本展では、菅の写真と映像作品、アクティヴェイションのドキュメント映像を公開。5月31日(木)には、横浜美術館の個展で制作され、菅が脚本・監督を務めた映画『存在と殺人』(1998-99年)を特別に上映する。上映後に本作を制作した天野太郎(横浜市民ギャラリーあざみ野、主席学芸員/プログラム・ディレクター)によるトークショーも行い、当時の制作現場の様子がわかる貴重な話や菅の映画への情熱を伝える。