アートで解明！空気の正体

　人々がなにげなく言い表す「穏やかな空気」「重苦しい空気」における「空気」とは、一体なにか。本展は、身近にあるにも関わらず全貌が見えないその存在に、美術と想像力で迫る。出品作家は大巻伸嗣、奥中章人、本間純の3名。

　展示空間を非日常的な世界に生まれ変わらせ、鑑賞者の身体的な感覚を呼び覚ますダイナミックなインスタレーション作品やパブリックアートを発表してきた大巻は、繊細で軽やかな素材によって空気の動きを目に見えるかたちに表す。人や物事、出来事の間に内在する関係性のダイナミズムと相互作用性を探求し、環境に反応する柔らかい彫刻や空間を手がける奥中は、手で触る・内部へ入ることができる作品によって、鑑賞者の感覚を刺激する。作品が置かれる場所の背景や特性を生かしたインスタレーションやプロジェクトを行なってきた本間は人や自然現象などのシルエットを風景に溶け込ませた作品を制作。何気ない場所に漂う空気から感じ取った「そこにいそうなもの」や「起こりそうな物語」を静かに立ち上げる。