EXHIBITIONS

ウーゴ・ロンディノーネ「静寂のかたち」

清水寺 成就院、西門前広場
2026.10.27 - 11.12

ウーゴ・ロンディノーネ《fünfterjanuarzweitausendundvierundzwanzig》(2024)
キャンバスに油彩 直径:90cm ©Ugo Rondinone. Courtesy the Artist and Sadie Coles HQ, London

 京都・清水寺で、スイス出身のアーティスト、ウーゴ・ロンディノーネの日本初個展「静寂のかたち」が開催されている。会期は11月12日まで。

 ロンディノーネは1964年スイス・ブルンネン生まれ。ウィーン応用美術大学を卒業後、97年にニューヨークへ移住し、現在も同地を拠点に活動。自然をたんなる風景としてではなく、精神的な状態としてとらえ、身体や意識、時間、人間の存在をめぐる作品を制作してきた。2017年にはニューヨークの複数の文化施設を横断する大規模な回顧展が開催され、近年も世界各地の美術館や公共空間で作品を発表している。

 本展の中心となるのは、清水寺の塔頭である成就院に設置される17体の石の人物彫刻だ。成就院は、清水寺の再興に尽力した僧・願阿の住坊として建立された歴史を持ち、名勝「月の庭」でも知られる。

 また、床の間には赤と黒で描かれた太陽の絵画が展示。同心円状に広がる色面は、暗い中心から光が放射状に広がるような印象を生み出し、昼夜や季節、生と死といった循環する時間を想起させる。石の人物像が長い地質学的な時間を体現するいっぽう、太陽の絵画は日々繰り返される時間の流れを表している。

 いっぽう、清水寺の西門のふもとには、青と白に彩られた僧侶の彫刻が設置。青い頭部と白い身体を持つトーテムのような人物像で、粗い表面は自然の力によってかたちづくられたかのような印象を与える。

 作品は、同じ場所にある祥雲青龍像と並ぶかたちで展示。清水寺の伝承では、青龍は観音菩薩の化身とされ、夜ごと音羽の滝に飛来して水を飲むと伝えられている。ロンディノーネは、運動や守護、変容を象徴する龍と、静止や観想、内省を体現する僧侶を対比させることで、異なる歴史や精神性が共存する関係を生み出す。