EXHIBITIONS

ベルトラン・ラヴィエ「Medley」

ベルトラン・ラヴィエ EMPRESS OF INDIA II 2005 © Adagp, Paris 2018

ベルトラン・ラヴィエ ATOMIUM, DETAIL N°10 2007 © Adagp, Paris 2018

ベルトラン・ラヴィエ LA BOCCA SUR ZANKER 2005  © Adagp, Paris 2018

ベルトラン・ラヴィエ WALT DISNEY PRODUCTIONS 1947-2013 N°2 2013 © Adagp, Paris 2018

ベルトラン・ラヴィエ IBO 2008 © Adagp, Paris 2018

 アプロプリエーションや、冷蔵庫やテーブルといった大量生産製品を台座にしたレディ・メイド作品などで知られるアーティスト、ベルトラン・ラヴィエの個展が開催される。

 ラヴィエは1949年、フランス・シャティヨン=シュール=セーヌ生まれ。ヴェルサイユの国立高等園芸学校で、自身の芸術観に影響を与え続ける園芸を学んだ後、70年代初頭からアーティストとして活動を開始。絵画と彫刻、描写と抽象、生活と芸術の関係を考察するアプローチには、マルセル・デュシャンのレディ・メイドの精神、ポップアートの大衆文化的イメージ、ありふれた要素を用いたヌーヴォー・レアリスムの手法の混合が見られる。

 伝統的な芸術様式のカテゴリー分けを覆す作品を生み出してきたラヴィエは、絵画や彫刻を混成することに重点を置き、「シャンティエ」(工事現場) と好んで呼ぶ作品群を形成。あえてオブジェを完成したものとみなさず、常に立ち戻って再び手を加える可能性を残している。また、既存のアート作品のみならず日常生活に馴染み深いものも取り入れ、80年代では、自身の「ファン・ゴッホ風」絵画テクニックを介入の手段として使って、あらゆるものを印象派絵画風の厚い絵具の層で覆う作品を手がけた。

 エスパス ルイ・ヴィトン(東京、ミュンヘン、北京、ヴェネツィア)で未公開の作品を紹介する「Hors-Les-Murs(壁を越えて)」 プロジェクトの一環として開催される本展では、作品7点を展示。「ファン・ゴッホ風」絵画テクニックによる《Atomium》(2007)や、ネオンを用いたインスタレーション《Empress of India II》(2005)、レディ・メイドをユーモアと冗談を込めて解釈した《La Bocca sur Zanker》(2005)など、ジャンル、原理原則、素材をミックスさせ、ものの見方や慣れ親しんできた芸術の解釈方法を揺るがすラヴィエの実験とスタイルを発見できる構成となっている。