EXHIBITIONS

ヴィジョン・オブ・アオモリ vol.16

Part1 柿崎真子 アオノニマス 潜/Part2 ある、晴れた日に

柿崎真子 《アオノニマス 潜》より

柿崎真子 《アオノニマス 潜》より

 国際芸術センター青森では、「ヴィジョン・オブ・アオモリ」と題して、青森ゆかりのアーティストを紹介する展覧会を年に1度行ってきた。第16回では、part1とpart2に分けて、時代を超えて青森の姿をとらえた2つの展覧会を開催する。

 Part1では、青森市出身の写真家、柿崎真子の新作を展示。柿崎は東京都在住ながら故郷である青森県内の風景を撮影し「アオノニマス」と題したシリーズとして発表している。本作は青森の風景を写しながらも距離を保ち、作家の現在の居住地と故郷の地理的距離や固有の土地性への思慕と、相対する懐疑などの暗示を思わせる。

 Part2では、柿崎の祖父・貞蔵が所有していた戦前戦後の青森市の風景写真をデジタルスキャンし、スライド上映。かつて青森市の柳町通にあった「柿貞商店」時の店主だった貞蔵はカメラを何台か所持し、日々の暮らしの中で写真を撮影した。

 当時庶民にはまだ珍しかった写真には、当時の青森市民の生活や人々の様子が生き生きととえられており、貞蔵が残した1000カットを越えるネガの中から、選りすぐった約100枚の写真を紹介する。