EXHIBITIONS

石井亨

METROPOLITAN MOMENT

2018.04.07 - 05.05

石井亨 Walls Road_March_2017 画像提供=石井亨

石井亨 Walls Road_March_2017 画像提供=石井亨

 伝統的な染色技法である糸目友禅染を応用した「平成浮世絵」で、伝統工芸の革新と現代美術の刷新を試みる石井亨が京都での初個展を開催する。

 石井は2014年東京藝術大学大学院美術研究科美術専攻博士後期課程を修了、15年に文化庁新進芸術家海外研修員に選出され、ロンドンでの2年間の研修を終えて帰国。これまで、父親の日常から垣間見る現代日本社会の様相を可笑しくも悲哀を湛えて作品化した「サラリーマンシリーズ」や、ファストフードを思わせる色をした水を落下させ、大量消費・大量廃棄社会のイメージを込めた《ファーストフードの滝》、都市の駅周辺に集中する巨大なエネルギーを結晶化しようと試みた「都市結晶シリーズ」などを制作してきた。

 本展では、都市のネオン風景を描いた「都市夜景」シリーズと、都市観察中に石井が偶然発見して撮影した路上のゴミ写真を絵画形式で保存した「都市漂着物」「段ボール」「滝」シリーズを展示。現代都市社会の事象を主題に、発祥からおよそ300年を経た糸目友禅染の技術と、西洋絵画のステイニング技術の可能性を問う。