EXHIBITIONS

鹿島茂コレクション フランス絵本の世界

2018.03.21 - 06.12

アナトール・フランス著/モーリス・ブテ・ド・モンヴェル絵 『われらの子どもたち』より 1887 © NOEMA Inc. Japan

アルノー・ベルカン著 『子どもと青年の友』(新版) 1831 © NOEMA Inc. Japan

ジュール・ヴェルヌ著/エドゥアール・リウ、アルフォンス・ド・ヌヴィル絵 『海底二万里』 1910頃(1869初版) © NOEMA Inc. Japan

P.-J.スタール著/ロレンツ・フルリック絵 『双子』 出版年不明(1883初版)より © NOEMA Inc. Japan

アナトール・フランス著/モーリス・ブテ・ド・モンヴェル絵 『われらの子どもたち』より 1887 © NOEMA Inc. Japan

ガストン・シェロ(序文)アンドレ・エレ(本文)著・絵 『80ページ世界一周』より 1927 © NOEMA Inc. Japan

バンジャマン・ラビエ著・絵 『アゾールとミスティグリ』 出版年不明(1911初版) © NOEMA Inc. Japan

 フランス文学者の鹿島茂氏が30年以上にわたり収集を続け、これまで秘蔵されてきたフランスの子供のための絵本コレクションを初公開する。

 フランスにおいて子供の本の時代が到来するのは19世紀半ばのこと。P.-J. スタールの筆名で作家としても活躍した編集者、P・J・エッツェルが小説家のジュール・ヴェルヌを発掘し、『ペロー童話集』(ギュスターヴ・ドレ画、1861)など歴史に残る児童書を誕生させた。そして、世紀末からフランスの良き時代とされるベル・エポックにかけて、カラーリトグラフの発達とともに絵本も美しい色の挿絵に彩られ黄金時代を迎える。

 1930年代に入ると、今日まで世界中で愛され続けるフランス絵本のシリーズが誕生。ナタリー・パランら絵本の先進国であるロシアや東欧出身の画家を起用し、着せ替えやぬり絵、教育絵本を出版した「カストール文庫」、1931年の発売直後から人気を博した「ぞうのババール」シリーズなどが出版された。

 本展では、世界的にも貴重なコレクションより、端正で繊細な挿絵を描いたブテ・ド・モンヴェル、アール・デコ全盛期に活躍したアンドレ・エレ、マンガやアニメーションの先駆者バンジャマン・ラビエら、フランスの華やかな絵本の時代を築いた人気作家たちの作品を展示。19世紀半ばからアール・デコ時代に至るフランス絵本の黄金期を紹介する。