EXHIBITIONS

山口聡一

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2018.03.02 - 03.25

山口聡一

山口聡一

山口聡一

 少年期に強い印象を覚えた錯視の体験を原点に、カラフルでポップな華やかさと、奥底にある違和感といった魅力をあわせ持つ絵画制作を続ける山口聡一の個展が開催される。

 山口聡一は1983年千葉県生まれ、2010年東京藝術大学大学院修了。大学院在学中の2006年「GEISAI#9」にて金賞とhiromiyoshii賞を受賞し、08年には「モスクワビエンナーレ」に参加するほか、香港のアートフェアなどに出品してきた。独自の色彩感覚と描写力による鮮烈でオプティカルな作風は、国内外の場で鑑賞者を惹きつけている。

 昨年の個展では、現代の表層文化に対するアイロニーでもある《montage(beauty cyborg)》、キュビスムに対する敬愛や自身の再考を織り交ぜた《Cubic Cubism》などを展示。活動初期のロールシャッハ・テストを思わせる2次元世界から発展し、身近なアイコンであるアニメのキャラクターや絵画の名作をモチーフに取り入れながら、巧妙な画面上の虚構で2次元と3次元の狭間へと誘う展開を見せた。

 本展では、陶器を素材とした作品を初めて発表。絵づけした器を砕いて平面へと分解し、さらに展開図のように組み変えて再構成するなど、平面から立体、平面へと次元を行き来させる複雑な実験を重ね、視覚で認識できるものに対する純粋な問いかけとともに、新しい知覚を探る。