中村哲也「Drawings and so on」

　「スピード」と「改造」という現代社会を象徴するテーマを取り上げたジェット機のような彫刻作品「レプリカシリーズ」を展開し様々なジャンルで発表してきた中村哲也。同時に、形状の持つ固有のメッセージ性に着目し、強いものをより強く、速いものをより速くみせるためのペイントパターンそのものを彫刻として自立させ、抽象的でありながら強いイメージの純粋立体作品を手がけている。

　近年はロボット型彫刻や生物的な彫刻を使ったメッセージ性の強い作品も制作。成田空港に大型のパブリックアートが設置されるほか、金沢21世紀美術館、国際交流基金、高松市美術館、豊田市美術館などに作品が収蔵され、バンクーバー五輪、ソチ五輪、リュージュ日本代表チームのウェアをデザインするなど幅広く活動している。

　本展では、作家の頭の中のイメージを第一に具体化した設計図的なドローイングを公開。立体作品の写真プリントなども展示する。