EXHIBITIONS

project N 71

平子雄一

平子雄一 My Phantom 45 2018

平子雄一 My Phantom 45 2018

 頭部が植物になった人物をモチーフに、想像力豊かな絵画シリーズを手がける平子雄一。植物に代表される自然と、人間の営みや人工物を同列に描くことで自然と人工の境目を曖昧にし、様々な象徴的モチーフを巧みに配置した画面はときに悪魔的な力を秘めた黙示録的な様相を、ときに滑稽な雰囲気を醸し出している。

 制作の出発点について、「留学先の英国で人工的に生み出され管理された植物を人々が『自然』として愛好していることに疑問と滑稽さを感じ、対する自身のある種アニミズム的な自然観との差異を自覚したことだ」と言う平子。その問いは、自らの体験や記憶、あるいは身近な日常生活、そして文化圏による差異や歴史的な視点にまでおよんでいる。

 本展では、あまりに身近な存在であるためか人々の意識のなかでつねに「曖昧」なまま見過ごされている「植物」と人間との関わりについて改めて考察する。