EXHIBITIONS
額田宣彦
F.P.M.S.
1990年代半ばより、ジャングルジムのような格子を描くスタイルを形成し、現在は白い下地が均一に塗られた麻布の目に沿って絵具を塗るシステマティックな方法で制作を行う額田(ぬかた)宣彦。「日本サイズ」として販売されている既製品の木枠「F(Figure/人物)」「P(Paysage/風景)」「M(Marine/海景)」を使用し、左下と右上の角を起点に、麻布の目に沿って線を斜めに描くシリーズを発表する。
本作は、木枠のサイズと比率によって線の位置が決まり、支持体のサイズを選んだ時点で作品の全体像も決まるという、恣意性を排除した作品を試みる額田の象徴的なアプローチを反映。会場では、F.P.M.の3点セットが壁を覆うように展示され、幅が微妙に異なる2本の斜線が反復される空間は、何かの物語性を持つように見える反面、空虚なイメージを淡々と発光しながら私たちの生活をとりまくディスプレイ画面のようにも見え、一義的な意味に還元されることを拒む。
画面にかすかに残る作家の身体性をとらえるとき、鑑賞者は心の奥底にある普遍的な美や感性の揺らぎを感じとることができるだろう。
本作は、木枠のサイズと比率によって線の位置が決まり、支持体のサイズを選んだ時点で作品の全体像も決まるという、恣意性を排除した作品を試みる額田の象徴的なアプローチを反映。会場では、F.P.M.の3点セットが壁を覆うように展示され、幅が微妙に異なる2本の斜線が反復される空間は、何かの物語性を持つように見える反面、空虚なイメージを淡々と発光しながら私たちの生活をとりまくディスプレイ画面のようにも見え、一義的な意味に還元されることを拒む。
画面にかすかに残る作家の身体性をとらえるとき、鑑賞者は心の奥底にある普遍的な美や感性の揺らぎを感じとることができるだろう。