EXHIBITIONS

写真発祥地の原風景 長崎

2018.03.06 - 05.06

プロイセン東アジア遠征団写真班《(長崎パノラマ)》(部分) 文久元(1861) 東京都写真美術館蔵

プロイセン東アジア遠征団写真班《(長崎パノラマ)》(部分) 文久元(1861) 東京都写真美術館蔵

 毎春、初期写真を振り返る展覧会シリーズを開催してきた東京都写真美術館。今年は、日本で初めて写真機材が持ち込まれたとされる長崎に焦点を当てる。

 海外に開かれた港町として栄え、異域と称された長崎では、ピエール・ロシエやフェリーチェ・ベアトなどの外国人写真師が訪れ、写真を制作。いっぽう、上野彦馬、内田九一(くいち)をはじめ、薛(せつ)信二郎、清河武安、為政虎三(ためまさ・とらぞう)などの日本人写真師も誕生し、日本の写真文化が開花する核となった。

 本展では、東京都写真美術館が収蔵する上野彦馬の作品集『長嵜市郷之撮影』や、内田九一の『西国巡幸写真帖』、日下部金兵衛が頒布した《(長崎パノラマ)》、ベアトの『幕末アルバム』や『ボードイン・アルバム』(長崎大学附属図書館蔵)などの写真作品のほか、画家の川原慶賀が描いた出島の風景や、写真を原図に用いた青貝細工の《長崎風物図箱》、長崎版画、稀書も展示予定。

 長崎学に造詣の深い姫野順一博士(長崎外国語大学特任教授・長崎大学名誉教授)監修のもと、幕末・明治の長崎を東京都写真美術館の展示室に再構築する。(※4月9日に一部展示替え)