EXHIBITIONS

糸川ゆりえ

アルカディア

2018.03.03 - 04.14

糸川ゆりえ アルカディア(部分) 2017 画像提供=児玉画廊

 透明色や反射を多用し、陰影に揺らぐとらえどころのないモチーフが漠然と浮かび上がるような表現で、非日常的な世界観を描き出す糸川ゆりえ。

 糸川の作品は、銀色やラメを混ぜ込んだ絵具の使用法が特徴。単純にデコレーションとして画面を華やかにするといった目的ではなく、反射による視覚効果を利用し、画面上で図像が揺らめくように企図している。

 並行して樹脂や透明メディウムなどを混ぜることで、絵具に透明感を与え、光を跳ね返す銀色の効果に相対させるように、光を色彩の奥へと透過させていく。

 これまで、ポートレイトのように1つの対象にまつわる情景、あるいは複合的な内容であってもそれらを1個の集合ととらえて描いてきた糸川。本展では、過去作とは異なり、様々な要素を溶かし合わせた新作を発表する。