EXHIBITIONS

特別展

線表現の可能性

2024.11.02 - 2025.01.26

ベルナール・フリズ ガルブ 2003 国立国際美術館蔵 Courtesy of the artist

 国立国際美術館で、特別展「線表現の可能性」が開催される。

 線描画は、かつては完成作のための習作や下絵として描かれ、対象の形態を明確に輪郭づけるためのデッサンとしての役割を担ってきた。しかし近代に入ると、線表現そのものに独立した価値が見いだされ、20世紀以降に誕生した抽象絵画では、線そのものが有している造形性に注目が集まるようになった。線は絵画の原点であると同時に、その表現領域を拡大し続ける、古くて新しいテーマとなっていった。

 本展覧会は、国立国際美術館の所蔵品のなかから版画・素描を中心に、絵画、彫刻、写真を加えた約150点を選び、現代美術における線表現の多様性を紹介。日頃、意識することの少ない線という存在が、人々の視覚にどのような作用を及ぼすのか、その検証の場となることだろう。