EXHIBITIONS
井出賢嗣
a private sketch of tennis
ベニヤ板や垂木、粘土などを用いた大小のオブジェでひとつの世界をつくり上げるアーティスト、井出賢嗣の個展が開催される。
井出は1981年、神奈川県横須賀市出身、2006年多摩美術大学大学院美術研究科絵画専攻を修了。一見、抽象的な彫刻やインスタレーションを思わせる井出の作品は、ベニヤ同士のつなぎ目や表面の着色、粘土造形において繊細な作業が重ねられ、間近にするとひとつひとつの細かさを見ることができる。
本展では、スケッチやベニヤを用いたテーブル状の立体、映像などを組み合わせて手がけた「テニス」にまつわる作品を展開。井出は本展に寄せて、次の言葉を寄せている。
「裕福な家庭環境に生まれたけれど、そこでは世界は家の外を指した。家の外に出ては満たされないことを確認して自分の与えられた部屋に戻る。その頃テニスコートの白い線の中でラケットを振り、そこに当たった球の軌道が美しければ、その美しさの分だけ世界に繋がると考えた。その美しい軌道は対面から打ち返されて、また違うものに変わる。それをまた自分の美しい軌道にして打ち返す。そのやりとりの先に世界があると、1990年代の僕は想像していた。」(井出賢嗣)
井出は1981年、神奈川県横須賀市出身、2006年多摩美術大学大学院美術研究科絵画専攻を修了。一見、抽象的な彫刻やインスタレーションを思わせる井出の作品は、ベニヤ同士のつなぎ目や表面の着色、粘土造形において繊細な作業が重ねられ、間近にするとひとつひとつの細かさを見ることができる。
本展では、スケッチやベニヤを用いたテーブル状の立体、映像などを組み合わせて手がけた「テニス」にまつわる作品を展開。井出は本展に寄せて、次の言葉を寄せている。
「裕福な家庭環境に生まれたけれど、そこでは世界は家の外を指した。家の外に出ては満たされないことを確認して自分の与えられた部屋に戻る。その頃テニスコートの白い線の中でラケットを振り、そこに当たった球の軌道が美しければ、その美しさの分だけ世界に繋がると考えた。その美しい軌道は対面から打ち返されて、また違うものに変わる。それをまた自分の美しい軌道にして打ち返す。そのやりとりの先に世界があると、1990年代の僕は想像していた。」(井出賢嗣)