EXHIBITIONS

宇佐美雅浩

Manda-la in Cyprus

宇佐美雅浩 ゼフラ・ネヴザット 南側、マリア 2017 © USAMI Masahiro Courtesy Mizuma Art Gallery

宇佐美雅浩 ゼフラ・ネヴザット 南側、マリア 2017 © USAMI Masahiro Courtesy Mizuma Art Gallery

宇佐美雅浩 アナスタシス・パヴル 北側、ガストリア/カレジック 2017 © USAMI Masahiro Courtesy Mizuma Art Gallery

 仏教絵画の曼荼羅(まんだら)にみられる中心人物を中央に配し、その人物の世界観を表現する作品を手がけてきた宇佐美雅浩。2015年の個展では、20年間未発表だった「Manda-la」シリーズを展示し、大きな反響を呼んだ。

 宇佐美は1枚の写真を撮るために撮影場所に何度も赴き、現地の人々とリサーチや対話を繰り返しながらする作品を制作。東日本大震災の被害にあった福島や気仙沼、被曝地の広島などを舞台に日本が抱える問題や歴史、社会のあり様を浮かび上がらせてきた。
 
 本展では、17年にキプロスで開催された「パフォス2017」の公式イベントとして個展の依頼を受けたことを機に、1年をかけて挑んだ「Manda-la in Cyprus」を発表。地中海の人気ビーチリゾートでありながら「世界最後の分断首都」を有し、紀元前から幾度となく周辺の国々によって翻弄されてきた島国・キプロスで、過去の歴史を乗り越えようと模索する姿を現在の世界の状況とリンクさせ、人々が共感し、考えてもらうきっかけをつくり上げる。