EXHIBITIONS
村岡佑樹「in The room」
euso galleryで、村岡佑樹による個展「in The room」が開催されている。
本展は、東京都江東区白河1丁目に位置する「清洲寮」を舞台とした、彫刻家・村岡佑樹による個展だ。
清洲寮は、1933(昭和8)年に建設された鉄筋コンクリート造による民間集合住宅である。日本では、1923(大正12)年の関東大震災を機に、従来の木造を中心とした建築文化から、耐震・耐火性能の向上を目的とした、鉄筋コンクリート造による海外の新たな建築技術が普及。清洲寮は当時最新の技術を用いた日本の集合住宅のはしりとして、現在も住み継がれている点において貴重な事例と本展では位置付けている。
このような建築の特徴として、それまでの木造住宅において形成された、伝統的な生活様式にもとづく造作やスケール感が、鉄と石による新たな構造体の中にそのまま移植されている点が挙げられるという。そのため、清洲寮に訪れる人々は、当時の技術によって可能となった構造体と、日本の伝統的な木造住宅にみられる様式・文化が混在する空間に違和感を覚える。
本展は、このような清洲寮がもつ空間の違和感を、村岡佑樹が丁寧に読み解くことから端を発し、そこに新たに移植される存在としての作品と、移植されることによって生まれる空間体験を構想した、村岡による実験場となっている。
文章:伊達一穂(建築学者)
本展は、東京都江東区白河1丁目に位置する「清洲寮」を舞台とした、彫刻家・村岡佑樹による個展だ。
清洲寮は、1933(昭和8)年に建設された鉄筋コンクリート造による民間集合住宅である。日本では、1923(大正12)年の関東大震災を機に、従来の木造を中心とした建築文化から、耐震・耐火性能の向上を目的とした、鉄筋コンクリート造による海外の新たな建築技術が普及。清洲寮は当時最新の技術を用いた日本の集合住宅のはしりとして、現在も住み継がれている点において貴重な事例と本展では位置付けている。
このような建築の特徴として、それまでの木造住宅において形成された、伝統的な生活様式にもとづく造作やスケール感が、鉄と石による新たな構造体の中にそのまま移植されている点が挙げられるという。そのため、清洲寮に訪れる人々は、当時の技術によって可能となった構造体と、日本の伝統的な木造住宅にみられる様式・文化が混在する空間に違和感を覚える。
本展は、このような清洲寮がもつ空間の違和感を、村岡佑樹が丁寧に読み解くことから端を発し、そこに新たに移植される存在としての作品と、移植されることによって生まれる空間体験を構想した、村岡による実験場となっている。
文章:伊達一穂(建築学者)