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開創1150年記念 醍醐寺 国宝展 オブジェクト指向菩薩展示

滑らかなオントロジーと共鳴するオブジェクト:物化する計算機自然・微分可能存在論における密教世界

2024.07.24 - 08.22

オブジェクト指向菩薩 Photo by Yoichi Ochiai

 大阪中之島美術館で、落合陽一による展示「開創1150年記念 醍醐寺 国宝展 オブジェクト指向菩薩展示 滑らかなオントロジーと共鳴するオブジェクト:物化する計算機自然・微分可能存在論における密教世界」が開催されている。

 落合陽一は1987年生まれ、東京大学大学院学際情報学府博士課程修了。筑波大学デジタルネイチャー開発研究センターセンター長、准教授・JSTCRESTxDiversityプロジェクト研究の代表を務める。2018年より内閣府知的財産戦略ビジョン専門調査会委員、内閣府「ムーンショット型研究開発制度」ビジョナリー会議委員、デジタル改革法案WG構成員、文化庁文化交流使、大阪・関西万博テーマ事業プロデューサーなどを歴任。写真家・随筆家など、既存の研究や芸術活動の枠を自由に越境し、探求と表現を継続している。

 本展では「物化する計算機自然」において、微分可能存在論と密教世界観の融合を通じ、デジタル時代の新たな存在理解の可能性を探究する。具体的な展示物として、LLM(大規模言語モデル)の潜在空間を視覚化した《曼荼羅のプラチナプリント》は、永続性と可変性の二重性を体現し、観察者の視点に応じて微妙に変化する。AIによって設計された《オブジェクト指向菩薩》は、無数の微小な「オブジェクト」の集合体でありながら滑らかな曲面を形成し、離散と連続の融合を表現する。《ファントムレゾナンスの黒電話》は、過去と現在、自己と他者の境界を曖昧にし、LLM(大規模言語モデル)を介した時空を超えた対話を可能にする。

 本展覧会では、これらの展示物を通して、計算機自然における存在の多層性と相互浸透性を体感させ、鑑賞者を新たな存在論的次元へと誘う。