EXHIBITIONS

上田暁子「風穴」

上田暁子 ページ違い 2017

上田暁子 ページ違い 2017

上田暁子 まだ舟はいらない 2017

上田暁子 丸くない彼女の惑星 2014

 再現や表象としての絵画ではなく、何かの事象が変質・変容していく過程や瞬間、あるいはその成り行きとして現れてくるような絵画のあり方に関心を寄せてきた上田暁子。
 
 下絵を決めずに描き出される上田の作品は、一つ一つの筆づかいが次の質や色を導きだすように多彩なスタイルや筆致を画面に含み、その時々の思考や興味にあわせて制作する手法を取り入れてきた。絵画全体へと広がっていく連続した行為は、絵画内部に流動的な時空間をつくり出し、揺らめくような気配が立つ幻想的で断片的な物語の世界を紡ぎだしている。

 本展では、新作を含む絵画作品とともに、上田が2013年より続けてきたパフォーマンスプロジェクト《EN ROUTE》を発表。上田は自身の制作を振り返ったとき、「壁に風穴があき、そこから新しい風が吹き込むことが契機となり静止していた室内に流れや動きが生まれその時空が変化していくイメージが浮かんだ」と語っている。