Human Baltic われら バルトに生きて

　スパイラルガーデンで「Human Baltic われら バルトに生きて」が開催される。

　第二次世界大戦後に起こった、人間性の重要さに光をあて平和を推進しようというヒューマニスト写真運動。旧ソビエト連邦の一部であったバルト三国に生きたヒューマニスト写真家たちは、厳しい国家検閲に晒されながらも視覚的な比喩や、隠れたメッセージ、「イソップ（検閲を逃れるための特殊なコミュニケーション言語）」などをもちいながら、人々の生き様を写し出してきた。

　本展では、日常の大切さや表現の自由、芸術の社会的役割に意識的だったバルト三国のヒューマニスト写真家17人による200点以上の作品を展示する。

　さらに本展では、バルト三国の独立闘争においてきわめて重要な出来事であった「バルトの道」を、ARをもちいたアプリケーションを活用し体験することが可能。バルトの道とは、1989年8月23日、200万人以上の人々が手をつないでエストニア、ラトビア、リトアニアを横断する 690キロメートルにおよぶ人間の鎖「バルトの道」を形成した平和的デモ運動だ。本展ではこの歴史的な行動を体感するとともに、抑圧に対する抵抗の歴史を学ぶことができる。