増井岳人「piece/peace」

　HECTAREで、彫刻家・増井岳人の個展「piece/peace」が開催される。

　増井は1979年神奈川県生まれ。2001年に東京藝術大学美術学部彫刻科を卒業し、03年に同大学院美術研究科修士課程を修了した。素材自体が持つ原始的なエネルギーに着目し、土をもちいた陶器作品や彫刻作品を数多く生み出してきた。

　本展では、増井が日本各地で縄文土器の破片を拾い集め、その破片を組みあわせることで生まれた立体作品《土偶坊》を展示。その作品は、現代に再びかたちを変えて出土した土偶のようでもあり、破片同士を接合する際にできるつなぎ目は、本当に縄文人がいたことを証明する痕跡でもあるという。

　また、土器の文様をもちいた平面作品は、土器をキャンバスの裏にあて表面を鉛筆で擦るフロッタージュの手法で制作。ほかにも、未発表だった人差し指の折れたピースサインの彫刻《サウイフモノニワタシハナリタイ》も同時に展示する。