富田菜摘

　店舗やTVスタジオのディスプレイ、ミュージックビデオのアートワーク、身近な廃材を使ったワークショップなど多方面で活躍する富田菜摘の新作展が開催される。

　富田は1986年東京生まれ。2007年多摩美術大学油画科在学中での初個展以後、東京、名古屋、大阪を発表の拠点にしてきた。「妻有アートリエンナーレ」「高島屋美術水族館」など多くのグループ展にも参加。09年にはシンガポールに滞在し、現地で集めた金属廃材や新聞紙などを素材に制作、個展を開催した。

　本展では、富田が金属作品と並行して手がける、新聞紙を用いたモノクロの人物作品を展示。見慣れた電車内を舞台に、スマートフォンに見入る女子高生、メタボリックな中年サラリーマン、就活女子大生、ダイエットに励み美しさを追求する女性など、どこかおかしくも愛おしい17人のキャラクターが吊り革にぶら下がって登場する、独特で不思議な空間を表現する。