デモス・チャン「CHERISH BLOSSOM」

　銀座 蔦屋書店で、デモス・チャンによる個展「CHERISH BLOSSOM」が開催されている。

　デモス・チャンは、擬⼈化された動物を描くことによって世の中への考察と関⼼を表現している台湾出⾝のアーティストだ。アーティスト⾃⾝の内的な感情の記録の発露にもなっている作品は、同時に⽣きとし⽣けるものに対する平等な⼼や、⼈⽣に対する誠実な姿勢も鑑賞者に伝える。各作品とパラレルに対応する英詩の内容は、中国の⽂⼈書画の伝統を受け継ぎつつ、彼の本⼼や哲学的内省にもリンクしているという。

　絵画の技法に関しては、ラッカーや⽔を⽤いた混合技法、スプラッシュ（⾶沫）、スクレイピング（擦り）のような⻄洋の技法を採り⼊れ、俊敏でなめらかなテクスチャーやレイヤーをつくり出す。いっぽうで、彫刻の制作においては「真空」の概念を⽤い、⼈⽣における時とその推移の儚さを探求している。

「CHERISH BLOSSOM」と題した本展では、桜から着想を得た最新シリーズを初公開。また、盆栽アーティスト集団「TRADMANʼS BONSAI」とのコラボレーション作品を会場にて展⽰する。