AdvertisementAdvertisement
EXHIBITIONS

小宮太郎 「Virtual」

2024.01.26 - 02.24

©︎Taro Komiya / MAHO KUBOTA GALLERY

 MAHO KUBOTA GALLERY で小宮太郎の個展 「Virtual」が開催されている。

 小宮は1985年川崎市生まれ。2016年に京都造形芸術大学大学院芸術研究科芸術専攻(博士)を修了した。現在は滋賀と京都の県境にある共同スタジオ「山中suplex」を拠点に活動し、これまでに国内外でインスタレーション、立体、ペインティングなどの作品を発表。人間の「みること」の能動性をテーマに、絵画や写真作品をはじめ、高速回転して残像を見せるオブジェ、マスキングテープを使ったトロンプ・ルイユ(騙し絵)のインスタレーション作品など様々なメディアを用いながら作品制作を行っている。

 本展のタイトルになっている「Virtual」は、カタカナのバーチャルとして馴染み深く、バーチャルアシスタント、バーチャルリアリティー(VR)、Vチューバーなどの言葉が指すように、物理的には存在しないものがまるで実在するかのように見せかける「仮想」「虚像」という意味で広く認識されている。いっぽうで、英語にはそれとは反対の「実際の」「事実上の」という意味もあり、「(実際には異なるが)ほとんどそのものと変わりなく、ほぼ同一なので、事実上その機能を果たしている」というようなニュアンスが含まれる。

 小宮は本展で展示される4点のインスタレーション作品を通して、人が何かを見る時、実際に視界に入ってくるものから不必要な情報を削除したり、または本来は存在しない情報を補完するといったことが無自覚に行われていることを指摘している。小宮の作品はインスタレーションや立体という目に見えるものだけでなく、見る人の想像力に働きかけ、個々人の意識内にイメージを浮かび上がらせることで成立していると言える。本展は人の意識のなかで立ち上がるバーチャル(虚像)なイメージに緩やかに重なるVirtual(事実上)の世界の位相を浮かび上がらせる。