EXHIBITIONS

古屋湖都美・まるやまさとわ二人展「再三再四メモリ」

2023.11.10 - 11.26

古屋湖都美・まるやまさとわ act.↙▲MM𖥣# 2023 

-古屋湖都美・まるやまさとわ《act.〻§》2023年, 糸,糸巻き,セラミッ

 下北沢アーツで、古屋湖都美・まるやまさとわ展「再三再四メモリ」が開催されている。

 古屋湖都美は1997年東京都生まれ、2022年東京造形大学造形学部美術学科絵画専攻卒業、2023年現在東京造形大学大学院造形研究科造形専攻美術研究領域在籍中。一般的な絵画の支持体である布に着目したことから、布を中心とした日用品の構造を解き、改変する試みを続けている。

 まるやまさとわは1999年東京都生まれ、2022年東京造形大学造形学部美術学科彫刻専攻領域卒業、2023年現在武蔵野美術大学大学院造形研究科修士課程美術専攻彫刻コース2年在籍中。粘土をこねるあいだに思い出された自分の記憶やイメージを作品として興している。

 軍手、イヤホンコード、手芸糸など日用品を素材として構造を紐解き、別の何かとそのものとのあいだを行き来するような作品を制作する古屋湖都美と、粘土がある一定の固さになるまでというタイムリミットを設け、脳裏に浮かんだ思い出を形にするまるやまさとわ。曖昧な色味を巧みに使うカラーリングセンスも共通しており、その共同制作作品は、お互いの素材、アイデアが引き立ち合い、二人自身も驚くほどスムースに出来上がった。

 年明けに大学院修了展を控えるふたりによる本展は、新作や過去作を組みあわせ展示することにより、作品に新たな記憶やスケール観(=展示タイトル「再三再四メモリ」につながる)を創造することを試みる。作家自身も見たことがない自分の作品に出会い、鑑賞者にとっては、日常の解像度を変え、毎日に少しの新鮮味をもたらす体験となるだろう。