EXHIBITIONS

西尾美也「纏わり着く」

2017.04.29 - 05.07

西尾美也 Self Select : Migrants in Tokyo 2017

 装うという行為から生じるコミュニケーションのあり方をテーマに活動を展開する美術家、西尾美也の個展が開催される。

 西尾は、2017年の2月末から3月頭にかけて開催された「ソーシャリー・エンゲイジド・アート展」(アーツ千代田3331)において、東京に暮らす移民4名が、東京の街中で見ず知らずの日本人と衣服を交換し、その経験をもとに自分のための新しい服をつくるプロジェクト《Self Select: Migrants in Tokyo》を実施。本展では、このプロジェクトの成果の全貌をはじめて紹介するとともに、かつて実際に使用されていた学生服を使った新作《感覚の学校》を展示する。

 本展のタイトル「纏わり着く」は、人々の身体に纏わりついて離れない記憶や体温までも身に着ける感覚を表す。衣服という具体的な物の交換によって「私」を脱ぎさり「他人」を纏う西尾の実践は、衣服を着ることの自明性を問い「私」と「他人」の境界を揺さぶると同時に、「衣服に身を包む」という私たちにとって当たり前の行為を見つめ直す機会となるだろう。