EXHIBITIONS

川田龍「anattā」

Bambinart Gallery
2023.10.04 - 10.21

川田龍 untitled (泥/黒1) 2023

 Bambinart Galleryで、川田龍の新作個展「anatta」が開催されている。

 川田は1988年新潟県生まれ。川田は、2015年に東京造形大学を卒業し、18年に東京芸術大学大学院を修了、現在は神奈川県横浜市を拠点に制作をしている。西洋絵画に描かれた文化的、宗教的に意味のある人物像や静物を、身近な友人や物に置き換え、モチーフに見立てて描く。絵画に備わっていた文脈を無意味化することで、絵画の物質的側面の本質を探っている。

 本展のタイトル「anatta」は仏教用語で「無我」あるいは「非我」を意味しており、モチーフの匿名性と相まって鑑賞を興味深いものにしている。川田は以下のステートメントを発表している。

「近年、モデルやモチーフに一色を塗り、その状態を描いている。モチーフの色や質感を変え、隠して描くことで、そのモチーフの形、性別、色、社会性などに囚われることなく描くことができるからだ。自分が絵描きとして何を描くことが出来るか、何が可能かを考え続けている」。