EXHIBITIONS

神聖ローマ帝国皇帝

ルドルフ2世の驚異の世界展

ジュゼッペ・アルチンボルド  ウェルトゥムヌスとしての皇帝ルドルフ2世像 1591 スコークロステル城、スウェーデン Skokloster Castle, Sweden

ジュゼッペ・アルチンボルド  ウェルトゥムヌスとしての皇帝ルドルフ2世像 1591 スコークロステル城、スウェーデン Skokloster Castle, Sweden

ルーラント・サーフェリー 動物に音楽を奏でるオルフェウス 1625 プラハ国立美術館、チェコ共和国 The National Gallery in Prague

ヤン・ブリューゲル(父) 陶製の花瓶に生けられた小さな花束 1607頃 ウィーン美術史美術館 © KHM-Museumsverband

貝の杯 1577 スコークロステル城、スウェーデン Skokloster Castle, Sweden

フィリップ・ハース 春(模型、アルチンボルドに基づく) 2010 作家蔵 © Philip Haas

 15世紀半ばの大航海時代の幕開け以降、望遠鏡による天体観測が始まり、ガリレオ・ガリレイ(1564-1642)が地動説を唱えるなど、人々の宇宙への眼差しが飛躍的に広がった時代。皇帝・ルドルフ2世(1552-1612)によって花開いたプラハの宮廷文化を紹介する展覧会が開かれる。

 神聖ローマ帝国皇帝として君臨したハプスブルク家のルドルフ2世は、稀代の収集家として、また芸術の庇護者でもあった。16世紀末〜17世紀初頭、プラハの宮廷には世界各地から優れた人物たちが集結し、芸術作品や科学機器などのあらゆる優れた創作物、新たに発見された珍奇な自然物などが集められ、「驚異の部屋」と呼ぶべき膨大なコレクションを形成。当時のヨーロッパの芸術文化の一大拠点となった。

 本展では、ジュゼッペ・アルチンボルドをはじめ、ルドルフ2世が愛好した芸術家を中心に、版画を含む絵画作品約80点と当時のコレクターズアイテムであった工芸品や天文道具を約20数点、天文学や錬金術に関する貴重な資料などを展示。占星術や錬金術にも強い関心を示した皇帝の、魔術的な魅力に満ちた芸術と科学の世界へ誘う。