EXHIBITIONS

谷川俊太郎展

撮影=深堀瑞穂

撮影=深堀瑞穂

ラジオコレクション STEWART-WARNER Model R108X AN.5438-093 1933 京都工芸繊維大学美術工芸資料館蔵

 1952年に詩集『二十億光年の孤独』で鮮烈なデビューを果たした谷川俊太郎は、感傷や絶望感とは距離を置く明るく軽やかな作風で戦後の日本で生き方を模索する人々の心を捉え、12月に86歳となる現在でも一人の生活者として日常から紡ぎ出すみずみずしい言葉で多くの人々を魅了し続けている。

 これまで谷川は『鉄腕アトム』の主題歌、絵本『マザーグースのうた』や、スヌーピーで知られるコミック『ピーナッツ』の翻訳、映画『東京オリンピック』の脚本、武満徹をはじめとする音楽家との協働などを行ってきた。

 本展では、詩人の原点を探るべく幅広い創作のほか、少年時代にまつわる資料や交友関係、親しんできた音楽、コレクションなどを紹介。本展のために書き下ろされる詩や、ソロユニット「コーネリアス」として活躍するミュージシャンの小山田圭吾、インターフェイスデザイナー中村勇吾とのコラボレーションを通じて、現在進行形の谷川の活動とも出会うことのできる機会となる。