EXHIBITIONS

ロニ・ホーン

The Selected Gifts,(1974-2015)

2017.12.08 - 2018.03.04

ロニ・ホーン The Selected Gifts,(1974-2015) 2015-16 Courtesy of the artist and Hauser & Wirth

ロニ・ホーン The Selected Gifts,(1974-2015) 2015-16 Courtesy of the artist and Hauser & Wirth

ロニ・ホーン The Selected Gifts, (1974-2015) 2015-2016 Courtesy of the artist and Hauser & Wirth

ロニ・ホーン The Selected Gifts, (1974-2015) 2015-2016 Courtesy of the artist and Hauser & Wirth

 1980年代より写真や立体作品など多様なジャンルの発表を続け、人や物のアイデンティティといった定義しがたい性質への問いを浮かび上がらせてきたニューヨーク出身のアーティスト、ロニ・ホーン。

 2009年に行われた回顧展「Roni Horn aka Roni Horn」(テート・ミュージアム、ロンドン)を皮切りに、ランベルト・コレクション(アヴィニョン)、ホイットニー美術館(ニューヨーク)、ボストン現代美術館(ボストン)へ巡回するなど、国際的に活躍してきたホーン。現在、グレンストーン・ミュージアム(メリーランド州ポトマック)にて大規模な展覧会を開催している(〜2018年1月)。

 本展を構成する写真67点は、作家が41年間に受け取ってきた贈り物をほぼすべて、白い背景のもと淡々としたスタイルで実寸大になるように撮影したもの。手紙や本、手袋やブレスレット、友人によるドローイングや写真、恐竜の卵の化石やフォーチュンクッキーのおみくじなどの様々な写真を一斉に並べることで、贈り物と贈り主である他者とを仲立ちとした、自身のポートレートを生み出している。

 どんな鏡よりも的確な視点を示す友人や知人、見知らぬ人の意図せぬ手助けなしにポートレートというものを想像することはできないと語るホーン。様々な贈り物の写真からは、活動初期にあたる74年から15年までの時間の厚みだけでなく、贈り主と受取人との間の起きた予期せぬ協働が組み込まれている。