キース・ボードウィー「You’re so great and I love you」

　MARGINでキース・ボードウィーの個展「You’re so great and I love you」が開催されている。

　キース・ボードウィー（1961〜）は、米・カリフォルニアを拠点に活動する作家。演劇の経験とパフォーマンス・アートやアクションペインティングの学びを活かし、身体を限界まで追い込む自己犠牲的でセクシャルなアクション・アートを実践。自らのクィア・アイデンティティの探求と美術史への批判的なアプローチを展開してきた。

　2000年代に入ると、パフォーマンスに大きく依存したキャリアを整理し、平面絵画に移行。セクシュアリティや異性愛規範に対する挑戦といったコンセプトを引き継ぎながら、カエルやマティスも好んだ水槽の中の金魚などのメタファーと語彙を蓄積した表現を模索し始めた。

　本展では、近年ボードウィーが取り組んできた擬人化された動物をモチーフにした油彩画12点を発表。性別や人種や階級などの前提に縛られない新たな肖像画としてアイデンティティや自己喪失といったテーマに挑んだ作品は、鑑賞者により親密な物語を語りかけるという。