古山結「痺れと軽快 / Numb and Pop」

　CLEAR GALLERY TOKYOで、古山結の個展「痺れと軽快 / Numb and Pop」が開催されている。

　古山結は1991年愛知県生まれ。2021年に東京藝術大学大学院美術研究科博士後期課程美術専攻日本画領域を修了。木製パネルを削ったりつなぎあわせて制作された有機的なフォルムの支持体に、日常のなかで生まれた制作への衝動を日本画の画材で描いてきた。

　描く対象に対して無意識であることを試みながら対話をするように制作するなかで、「考えない」を考えすぎて不自由になってしまう懸念も抱くという古山。こうした背景を持つ本展は、感覚が鈍化して自由がきかなくなることと、感覚が過敏になることで痛みなどの刺激が生じることの両方を表す「痺れ」をタイトルに採用。「軽快」には、より自由に、軽やかに制作したいという作家の意識が込められているという。

　会場では、二次元的性質を持つ絵画という枠組みにおいて、メディウムと空間との関係性をリズムやバランスで再構成していく古山の表現が堪能できるだろう。