未来の途中プロジェクト2017「ゴーストに矛と盾」

　京都工芸繊維大学美術工芸資料館が、2013年度から16年度まで若手作家の成長支援を目的に実施していた「未来の途中」プロジェクト4期生のなかから選抜された石黒健一と守屋友樹の作品を紹介。「ゴーストという目には見えない対象、見えはしないけれどそこにあるという予感は感じられる存在を、美術作家はどう作品にすることができるのか」という問いに、それぞれアプローチを試みる。

　これまで彫刻家として、彫刻と呼ばれるジャンルの特性や自身の取り扱う素材の歴史性をめぐって思考を続けてきた石黒は、ともにその時代の人類の技術的な到達点を示す、原始的な祭器と現代の今日的な製品とを、眩い光のなかで半ば暴力的に遭遇させるインスタレーションを発表。写真家でありながら目に見えない出来事の予感や世界の運動をなり立たせている時間性に焦点を当ててきた守屋は、自宅で小鳥の声を不意に聞き取った経験と自身の難聴経験を契機につくり出した、写真と映像からなるインスタレーションを公開する。