EXHIBITIONS

企画展 大阪の日本画

島成園 祭りのよそおい 1913 大阪中之島美術館蔵

北野恒富 宝恵籠 1931頃 大阪府立中之島図書館蔵

 大阪中之島美術館で開催されていた展覧会「大阪の日本画」が東京ステーションギャラリーに巡回する。
 
 商工業都市として発展してきた大阪は、東京や京都とは異なる独自の文化圏を形成し、個性的で優れた美術作品を生み出してきた。市民文化に支えられた近代大阪の美術は、江戸時代からの流れをくみつつ、伝統にとらわれない自由闊達な表現を花開かせた。

 本展では、明治から昭和前期にかけて大阪で生まれた日本画に光をあて、大阪中之島美術館が長年かけて収集したコレクションと、全国から集めた優品とをあわせた約150点を展示する。妖艶で頽廃的な作風で人気を博し、「悪魔派」と揶揄された北野恒富や、大阪における女性画家の先駆者で上村松園とも並び称された島成園らの作品が展覧される。

 当時の大阪に暮らす人々がどのような画を求め、画家たちが大阪に惹きつけられたのはなぜなのか、大阪らしい作品が誕生した背景にも目を向けながら、その特色を浮き彫りにする。