尾形アツシ

　粉引や刷毛目、初期の灰釉（かいゆう）など、薪窯で強く焼かれた味わい深い色合いのうつわを手がける陶芸家、尾形アツシの個展が開催される。

　雑誌の編集長として働いていた尾形は1996年に退職し、陶芸を学ぶため愛知県立窯業高等技術専門学校に入学。卒業後は瀬戸市で活動を開始し、2007年に工房を移転してからは奈良県を中心に活動している。現在は、土ものを中心に制作。土の質感や表情を出すため、釉薬をかけずに焼成された焼き締め作品や刷毛目、粉引を多用した土化粧の作品を発表している。

　12年にOz Zingaroにて開催された個展「大きな壺といつものうつわ」の流れを汲む本展では、作家の制作の基本であるうつわ約1000点に加え、大壺10点あまりを展示。さらなる限界に挑戦した、高さ約2mにもおよぶ超巨大壺5点も並ぶ。