EXHIBITIONS
小沢剛
不完全−パラレルな美術史
現代芸術家・小沢剛(1965-)は、自らの周りや美術の歴史などから様々な事象を拾い上げ、笑いを誘うユーモアと鋭い分析的視点を備えた作品に仕立てあげてきた。インスタレーションを筆頭に、小沢が日本美術史からテーマを得て制作した作品を中心とした大型個展が関東で久しぶりに開催される。
本展では、日本人に欠かせない調味料である醤油がかつて画材として使用されていたという架空の設定のもと、過去の著名な美術作品を醤油で再現した《醤油画資料館》(1999)や、戦争画家として時代の流れに翻弄された藤田嗣治をモデルに、史実とフィクションが入り交じった物語を作り出した《帰って来たペインターF》(2015)など、日本美術史の断層や不整合に光をあてる作品を展示。小沢が生み出した「パラレルな美術史」に触れることができる。
展覧会タイトルの「不完全」とは、明治時代に活躍した美術史家・東京美術学校(現・東京藝術大学)の初代校長である岡倉天心(覚三)の著書『茶の本』に由来する。「不完全」とは完全に対するネガティブな言葉ではなく、完全を目指す途上に立つ、限りなく豊かでやさしい意味だという。小沢作品のユニークな世界を体感したい。
本展では、日本人に欠かせない調味料である醤油がかつて画材として使用されていたという架空の設定のもと、過去の著名な美術作品を醤油で再現した《醤油画資料館》(1999)や、戦争画家として時代の流れに翻弄された藤田嗣治をモデルに、史実とフィクションが入り交じった物語を作り出した《帰って来たペインターF》(2015)など、日本美術史の断層や不整合に光をあてる作品を展示。小沢が生み出した「パラレルな美術史」に触れることができる。
展覧会タイトルの「不完全」とは、明治時代に活躍した美術史家・東京美術学校(現・東京藝術大学)の初代校長である岡倉天心(覚三)の著書『茶の本』に由来する。「不完全」とは完全に対するネガティブな言葉ではなく、完全を目指す途上に立つ、限りなく豊かでやさしい意味だという。小沢作品のユニークな世界を体感したい。