EXHIBITIONS

井田照一 PAPER WORKS 1980s

2023.01.28 - 02.19

井田照一 Surface is the Between - Between Vertical and Horizon - Garden Project - Locus Sutra - Position for Seed of Green Bean and Stone 1987
© イダ ショウイチ スタジオ

 日本の現代版画を代表する作家のひとり、井田照一(1941〜2006)。その展覧会「井田照一 PAPER WORKS 1980s」がYoshimi Artsで開催される。

 京都市で生まれた井田は、京都市立美術⼤学⻄洋画科専攻科で学び、68年に毎日フランス留学コンクール展(フランス政府主催)で⼤賞を受賞、69年にパリに留学。その後、ニューヨークなどにも滞在した。70年代半ば頃より「表面は間(あいだ)である」という概念のもと制作を行い、表と裏の両面に作品を刷るといった独自の試みを展開した。

 主な80年代の個展として、「井田照一回顧展 1970-1985」(原美術館、1985)、「今日の作家6 井田照一」(京都市美術館、1987)など。近年は個展「井田照一版画の思考」(豊田市美術館、2004)、「井田照一の版画」(京都国立近代美術館、2012)などが開催され、その創作は現代の作家たちにも影響を与えている。

 本展では、80年代の「PAPER WORKS」を中心に、その展開を予感させる70年代の作品や立体作品も加え、約15点を展示する。Yoshimi Artsは本展の開催にあたって、以下のようにコメントしている。

「井田照一さんとは、十数年前、井田さんの当時のアシスタントの方との縁で、祇園祭の時にお酒をほんの一時ご一緒したのが出会いでした。その後、お会いする事はなく、井田さんが亡くなられた事、アトリエに作品が残っている状況や展覧会があると教えて貰ったりする程度だったのですが、数年前、元アシスタントの方と食事をした時に、どちらからともなく井田さんの展示の話になり、巡り合わせを感じたことが今回展覧会をする動機となりました。

2年前から展覧会の準備に取り掛かり、アトリエにて作品を拝見し、提供いただいた沢山の資料に目を通して、どういう展示が良いのかを考えた結果、1980年代のPAPER WORKS(紙の作品)を選択していました。作品の種類が多岐にわたり、様々なことに取り組まれていて捉えどころが難しいのですが、弊廊で改めて紹介することで井田照一の作品を考える機会になればと思っております」。