EXHIBITIONS

CAF賞2021最優秀賞受賞作家

稲田和巳 個展『潮』

現代芸術振興財団
2023.02.18 - 04.08
 現代芸術振興財団で、若手アーティスト育成を目的として学生を対象に実施するアートアワード「CAF(Contemporary Art Foundation)賞」の最優秀賞受賞者・稲田和巳の個展『潮』が開催される。

 稲田和巳は、1997年大阪府生まれ。2021年より筑波大学大学院に在籍。作品を制作するアーティストであると同時に、テクノロジーに携わるエンジニアとしても活動している。

 主な展覧会に「亀山トリエンナーレ2022」(2022)、「CAF賞2021」(2021)、筑波大学平砂学生宿舎9号棟で行われた「住人たち 再制作と展示」(2021)、「つくばメディアアートフェスティバル2021」(2021)など。

 制作においては、自身や身の回りの外界を計算機を用いて構造化し、観察することを試みてきた。稲田自身が「観測装置」と形容するその作品は、見るもの自身が主体的に読み解き、我々の生きる世界への解釈を見出すことを促すという。

 本展では、シミュレーションシステムを構築して制作する新作のメディアアート作品《潮》を展示。地点における統計値を標高に割り当てることで構築される「仮想の」地形モデルは、現実の地形のモデルが大気や水の動きを推測するのに役立つように、データが持つ要素の動きを把握することを可能にする。そこではまた、地理空間に横たわる不可視な流れを考察することが叶うという。