EXHIBITIONS

木梨銀士「Flux」

2023.02.03 - 02.18

キービジュアル

木梨銀士 Revelation Ⅰ 2022

木梨銀士 Sunset 2022

木梨銀士 Rehearsal 2022

 GALLERY HAYASHI + ART BRIDGEでは、木梨銀士による個展「Flux」が開催される。

 木梨は1999年東京都生まれ。ロンドン芸術大学セントラル・セント・マーチンズ グラフィックコミュニケーションデザイン卒業。具象絵画に向き合いながら現在の視覚文化を取り入れ、制作を続けてきた。継続して様々な場所を旅し、また滞在することで得た記憶と経験から大きな影響を受けている。近年の主な展示に、ART FAIR ASIA FUKUOKA 2022、ART FAIR TOKYO 2022、寺田美術(青山、2019)などがある。

 木梨の作品では、時間軸とそこに関連する作家自身の情緒が重要な役割を担う。一例として、ART FAIR TOKYO 2022にて発表した「Flux」をはじめとしたアニメーション型絵画が挙げられ、同シリーズにおいては絵画の歴史と向き合うとともに、現代に急増している動画コミュニケーションという視覚文化を取り入れながら制作を行った。これまでに出会い、記憶として深く残された動的なモチーフを一枚のキャンバスに描き、また新たな一コマを上から重ね描がいていくアニメーション型作品のマチエールは、木梨の日々の浮き沈みを表しているとともに、同じように見えるもののなかにこそ、絶え間ない変化が潜むことを暗示してくれる。

 本展は、GALLERY HAYASHI+ART BRIDGEでは初めての個展。自然と人間が併存する瞬間を描いた作品、また、移り変わる時の経過を重ね合わせて描くアニメーション型の絵画の新作を発表する。

 今回展示される作品群は、様々な地域に足を運んでいる木梨が、その土地土地で見た自然と人の関係性を描写したもの。それらは描かれた場所や時間を明確に理解することはできないが、ノスタルジーで心地の良い想像的な領域が広がり、絵画の空間的広さを見ることができる。木梨の思考と記憶に絵具と言う物質が結びつき、作品は空間に自由を得ると同時にタイムレスなものへと昇華される。