EXHIBITIONS

カズ・オオシロ「Echoes from Oblivion」

2023.01.27 - 02.25

カズ・オオシロ Lateral File Cabinet(back, cup rings, drips) 2013

カズ・オオシロ Orange Speaker Cabinets and Gray Scale Boxes 2009

カズ・オオシロ Untitled Still Life(Diptych) 2015

 TEZUKAYAMA GALLERYでは、ロサンゼルス拠点の日本人アーティスト、カズ・オオシロによる個展「Echoes from Oblivion」が開催される。本展協力はMAKI Gallery, Tokyo。

 オオシロは1967年沖縄県生まれ。86年に渡米し、カリフォルニア州立大学にて学位および美術学修士を取得。現在もロサンゼルスを拠点に、世界各地で発表を重ねている。オオシロの作品は、ポップ・アートやミニマリズム、抽象的表現主義などを参考しつつ、それらの思想を独自に展開し、立体と平面、 抽象と具象、リアリティとイリュージョンといった様々な二項対立の上に立って表現の本質を探るものだ。

 オオシロの代名詞ともいえるごみ箱、アンプ、キャビネット、スーツケースなどは精巧かつ忠実に再現されており、はじめ作品とは認識されないが、すべてのものがキャンバスの上に描かれた作品という事実を知った瞬間に鑑賞者のものの見方が逆転する。ほぼ単色で構成される作品「Still Life」シリーズでは、支持体であるキャンバスそのものが不規則に変形したり、シワがよったりしていることで、立体作品と平面作品のあいだをさまようかのような印象をもたらす。本シリーズのようにオオシロの作品は、ふたつの反する要素のあいだを揺れ動きながら、いくつもの「なぜ」を見る者のなかに誘発し、惑わせることで芸術作品の存在や定義を再考するきっかけを与える。

 オオシロにとって大阪での発表は本展が初めて。TEZUKAYAMA GALLERYの「MAIN GALLERY」「VIEIWING ROOM」両スペースに使い、ギャラリーのコレクション作品「Orange Speaker Cabinets and Gray Scale Boxes (2009)」を関西で初披露するとともに、キャビネット、テールゲート、「Still Life」「Steel Beam」シリーズなどの代表作を展示する。