EXHIBITIONS

岡崎和郎・大西伸明「Born Twice」、大西伸明「光体」

2022.12.17 - 2023.01.28

岡崎和郎・大西伸明「Born Twice」キービジュアル

大西伸明「Radiant」キービジュアル

 MA2 Galleryは、岡崎和郎と大西伸明による2人展「Born Twice」、そして大西伸明の個展「光体」を同時に開催している。

 岡崎は1930年生まれ。60年代、西洋の物の見方を東洋の見地から補足する独自の造形概念「御物補遺」を確立し、日常の事物を型抜きや反転といった手法で鮮やかに造形化、鋭敏なユーモアをたたえた精巧な作品を生み出した。94年には奈義町現代美術館(岡山県)に《HISASHI- 補遺するもの》を制作。また、自らの戦争体験をもとに日本や人間の存在についての洞察から生まれた《黒い雨によせて》と題される作品もその重要性を増している。本展の発表準備をしていた矢先の2022年7月に逝去。

 大西は1972年生まれ。樹脂による型取りや版画技法を用いて、日常身の周りに存在する物体の表面を剥ぎ取りつつ再生産し、精巧に彩色を施し、あたかも本物と見紛うばかりの別の物体、マルチプルを制作する。2008年、富山県にある発電所美術館の巨大な空間において、ミニクーパーやテトラポットから型をとった作品を発表。いっぽう、錆びた釘や椿の一葉、枯れ枝など繊細で小さな作品により、巧みな技術を駆使して世界を再構築した。11年から岡崎との対話から生まれたプロジェクトを継続している。

 互いの作品と対話しながら、往復書簡のようにさらに発展させていった2人の作品。意思を引き継いだ大西が、2人で進めていたプロジェクトを完成させた。

 本展では、岡崎と大西がともにつくり上げてきた「Born Twice」の展示をギャラリー1階で発表。いっぽう大西の個展「光体」を上階で展開する。