EXHIBITIONS

黒田克正展

―キャバレー・ヴォルテールは開いているか Part II―

黒田克正 花園にて 2022

 ギャルリー東京ユマニテでは、黒田克正の個展「キャバレー・ヴォルテールは開いているか PartⅡ 」が開催されている。

 黒田は1945年滋賀県生まれ。武蔵野美術大学、東京藝術大学大学院を修了後、1988年に「日本国際美術展」大賞を受賞。以降「アートエキサイティング '89 日豪交換現代日本美術展」「安井賞展」「大阪絵画トリエンナーレ」など国内外で作品を発表。近年も東京、京都で個展を開催するなど精力的に活動している。

 ニューヨークのグラフティアートに影響を受けた黒田は、油彩にとどまらず、様々な素材を駆使したパワフルで即興的なペインティングが特徴だ。また、音楽家の長谷川きよしや三宅榛名、女優の吉行和子、舞踏家の大野一雄らの舞台美術を手がけるなど、美術の垣根を越えて幅広く活躍している。

 さらに2001年には真如堂(京都)元管主、画家の齋藤真成と、2006年には陶芸家・清水六兵衛とそれぞれコラボレーション展を開催。世代を超え互いの価値観がせめぎあう作品は好評を博した。

 黒田は、前回の個展では10年ほど前から描きためたドローイング約70点を発表し、日々向き合っている「描く行為」の集積を示した。それらは黒田の制作の原点となり、無数の線描と色相が複雑に交錯する画面が構築されていった。本展では、幅5メートルもの大作を含む新作17点を展示する。