EXHIBITIONS

象印 O JUN + 森淳一

2022.12.07 - 2023.01.19

森淳一 bulge 2022 撮影=宮島径 © MORI Junichi Courtesy of Mizuma Art Gallery

O JUN  暗黒ドライブ 2022 撮影=宮島径 © O JUN Courtesy of Mizuma Art Gallery

 ミヅマアートギャラリーでは、O JUN と森淳一による展覧会「象印」を開催。2009年に開催した「痙攣子」以来、13年ぶりの2人展となる。

 O JUNは、日々の出来事や目にしたもの、ときには新聞の片隅の事件記事など、心をとらえた事象や事物を、抽象と具象のあいだを行き来しながら描いてきた。制作を通じ、ただイメージを再現するのでもなければ物語る絵を描くのでもなく、表面には現れない/見ることができないコトや実体にふれようとしている。

 森淳一はレオナルド・ダ・ヴィンチの素描や、自身の故郷である長崎に投下された原爆を背景とした作品など、作家の琴線に触れたイメージや事物のその実体や感触を、彫刻をベースに作品化してきた。

 本展でO JUNは「印」にまつわる作品を含め、描きの原点でもある紙の作品を中心に新作を発表。いっぽう森は、見たこと/触れたことがないもの、目の前から失せてしまったものなど、本来「象る」ことが困難な、物理的に距離があるものたちを制作の対象とした。

「象(かたど)る」森と、「印(しる)す」O JUNを表したという本展覧会のタイトル。「印象」ではなく「象印」とは、直接的なものの見方を拠り所としない2人らしい命名でもある。13年ぶりに2人の描く軌道が交差する本展に注目してほしい。