クニト「ほどけた平行線とムカデ」

　ギャラリー58では、クニトの個展「ほどけた平行線とムカデ」が開催される。

　クニトは1981年奈良県生まれ。2007年金沢美術工芸大学大学院美術工芸研究科工芸専攻陶磁コース修了、18年同大学大学院博士後期課程彫刻分野修了。FRPや光、鏡など様々な素材を用いて、物事の二面性といった感覚的なものや、非物質的ものを可視化させるインスタレーションを展開してきた。

　本展では、日常のなかで切り取った様々な一瞬の時間を「物質と影」を用いて表現し、時間という概念的なことを物質化することを試みる。

　1日のなかで、光と闇（影）の関係は変化し、その関係が時間を構成している。クニトは《非行為と非物質と透明な線》と題した作品において台座の上に赤、青、黄色の三原色で影を彫刻、その影に合わせて立体を配置し、物質と影の関係を逆転させることで、その立体が持つ時間や日常の一瞬に感じた二面性に焦点を当て、鑑賞者の記憶や感覚に働きかける。