EXHIBITIONS

名もなき実昌「@sanemasa5x #零人称単数」

2022.12.02 - 12.18

名もなき実昌 モデルと落書き(^人^) 2022

名もなき実昌 石と草(*´꒳`*) 2022

名もなき実昌 蛸:サムネイル(ム…)(¬_¬) 2022

名もなき実昌 蛸:サムネイル(エッ…) (・ω・`) 2022

 ROPPONGI HILLS A/D GALLERYでは、名もなき実昌の個展「@sanemasa5x #零人称単数」が開催される。

 名もなき実昌は1994年福岡生まれ、福岡在住。インターネット上の人格や画家のキャラクター性を出発点として、タッチパネルやSNSなどのテクノロジーに影響された作品を制作し、「@sanemasa5x」のアカウント名でTwitterへの作品投稿を続けている。近年の個展に「名もなき実昌作品+αのちょっとした展示とインスタレーション公開制作」(IAF SHOP*、福岡、2021)、「@sanemasa5x #風景・それと・その他のಠ_ಠ」(ミヅマアートギャラリー、東京、2022)など。

 インターネットから収集したイメージを組み合わせて描かれるその作品は、描写と検索が同居するなかでリアルタイムに制作され、作品の核となるモチーフの上には関連するイメージが次々と上書きされるように生み出されている。情報の蓄積により抽象化された画面には、画像的に解体されたキャラクターが幽霊のように偏在し、インターネット時代における現代の風景画となる。

 名もなき実昌は以下、本展のステイトメントを出している。

「これまで、SNSの画像やアニメキャラクターをテーマにした平面作品を主として制作を行なってきた。その中で、なるべくすべてのモチーフ(リアルであれ、バーチャルであれ)を混ぜたり、断片化したりと、等価に扱うように心がけてきた。というのも日常的にSNSやWEBメディアに触れている身としてはそれらを区分けして別物として扱うことに対しての違和感があったからだ。等価に扱うことは同時に個別の物に執着しないことでもある。しかしコロナ以降、特にこの1年の社会の流れを経験する中で、次第に対象を描く際の一人称の希薄さに対して、一度反省を踏まえて向き直ってみたいと考えた。もはや手慰みのようになってしまったそれらについて、語るべき私を獲得するために(名もなき実昌)」。