堀 聖史 展「過去虹」

　バンビナートギャラリーでは、堀聖史（ほり・さとし）の個展「過去虹」が開催されている。

　堀は1996年北海道札幌市に生まれ。現在、東京藝術大学大学院油画第3研究室に在籍中。2019年の初個展「ランタイムのともだち」以降、「まなざし仮面」（2020）、「ヘアリー・フェアリー」（2021年）と個展形式で新作の発表を重ね、本展が4回目の新作個展となる。

　本展に寄せて、堀は以下の言葉を寄せている。

「目に映るさまざまな景色は、本当は実体もなく場所もなく、虹のように、ただ本当に目に映っているだけなのかもしれない。虹の向こう側に決して回り込むことができないのと同じように、決して回り込むことができない世界があり、その手前の景色だけが見えている。重さや感触や色も、ただそこにあるというだけでは説明がつかない仕組みで、そこに与えられているのだろう。

　時間が直線ではなく、メロディのように、大気のように、上へ下へ進むものだとすれば、形や色は、上から下から、与えられて、知られない過去をたくさん含んでそこにある。そしてそれがなくなる時は、跡形もなくなくなるのだと思う。また現れるときも、気まぐれなのだと思う（堀聖史）」。