EXHIBITIONS

マルタ・コラーダ「KAMI」

2022.10.13 - 11.16

Mei Mei「Mine」 2020 メリノウール H67×W43×D23cm

 京都の⾋居では、マルタ・コラーダの個展「KAMI」を開催。Mei Mei(メイメイ)という名で活動しているアーティストを紹介する。

 コラーダは1984年生まれ、スペインのラ・リオハ州出身。2007年にバルセロナ⼤学、サラマンカ⼤学にて美術学⼠号を、08年にバルセロナ写真専⾨学校(IEFC)にて写真修⼠号を取得。卒業後は写真家としてキャリアをスタートさせ、現在はロンドンを拠点に活動している。

 コラーダの作品は、フェルティングという⼯芸技術を⽤いて制作される。なかでも複雑なニードルフェルトの技法を⽤いて、伝統技術の可能性を現代美術の世界に広めようとしている。16年からは「Mei Mei(メイメイ)」というアーティスト名で陶芸とフェルトを組み合わせたウール・スカルプチャーを⼿がけるようになり、作家として⼤きな転機を迎えた。

 本展は作家活動の転換期以降、初めての本格的な個展となる。ドローイングからスタートし、⾃⾝のコレクションから素材を集め、ウールや粘⼟、発泡スチロールを⽤いたスカルプチャーを制作するようになったマルタは、⾃⾝の精神的な側⾯を深掘り、⼼的傾向を再認識し、⼈として作家としてさらなる成⻑を遂げた。それだけでなく、⼼的変化を様々なメディアを⽤いて表現するようになった。また写真家としての経験を活かし、⾃⾝のエディションプリントをつくることで⼀連のプロセスを循環させている。

 マルタはこの世に存在するすべてのものに魂が宿ると考えており、作品は⾃⾝の⾝体から切り離された魂を持つ存在だという。展⽰する作品たちに対するそのような想いを込め、今回の展覧会を「KAMI(聖なる存在)」と題している。