EXHIBITIONS

LEESAYA 3周年記念展

安藤晶子,辰田翔,金光男,髙橋銑「遠い日常」

2022.10.05 - 11.06

©︎ Sho Tatsuta

 2019年10月にLEESAYAが開廊して以降、世界では様々な出来事が目まぐるしく巻き起こった。ギャラリーの3周年記念展として「遠い日常」と題し、安藤晶子、金光男、髙橋銑、辰田翔を迎えたグループ展を開催する。

 安藤晶子は気が遠くなるほどの細かな描写をひたすら繰り返すことで安寧への祈りと日々を紡ぐささやかな願いを描き出してきた。何かを美しいと感じる心を解放していった時間の過程が絵になっている、と作家は話す。

 移民のルーツを持つ金光男は、社会の多様性に対する許容も進み人種や国籍を問わず人々が自由に自己実現をできるとされている時代に、個人が免れない孤立や矛盾、思想の違いによる対立と葛藤を浮き彫りにする。

 髙橋銑は彫刻作品の保存修復の経験からどんなものにでも終わりがあり、それは表現を行う自分自身も例外ではなく、存在の不確かさを認めながら悲観的だけではない眼差しで物事の終わりに対峙する。

 音楽家である辰田翔はコロナ禍で海外への渡航が難しくなった現状を受け、国内での移動を活発に行い、様々な人や場所にふれ作品を制作してきた。環境に合わせ音響作品を制作することで、人々の暮らしに溶け込み、ときに変化をもたらす。

 本展では4人の作家の作品に込められた多様な視点を通し、日常の尊さを思い出し、豊かさの在処について考えるきっかけを提案する。